辻井喬さんのこと
辻井喬さんが25日に亡くなっていたことを昨日の夕刊で知った。こうした著名人が亡くなった場合、すぐ
に報道されるのに、3日も秘されていたのはなぜだろう? そんな遺言でもあったのだろうか? 戦国時
代の武田信玄ではないんだし、秘す理由はないように思えるが、それなりの事情があったのだろう。
体調がお悪いことは最近知人から聞いて知っていた。それにしてもこんなに急に亡くなられるとは思っ
ていなかった。
辻井さんとは一度だけお会いしたことがある。2000年に「沈める城」で第1回親鸞賞(東本願寺主催)を
受賞され、京都で行われた授賞式に招かれて行ったときだった。初対面のこちらに丁寧に名刺を差し出
され、親しく話を交わしてくださったことが印象深く残っている。大企業の会長まで務めた人なのに、腰の
低い、感じのいい人だなと思った記憶がある。
それ以前から詩集が出るたびに送ってくださっていた。でも、その硬質で叙事詩的な詩は、僕には感情
移入しにくく、熱心な読者とは言えなかった。きちんとしたお礼の手紙も出せず、申し訳なかったなと今に
なって思う。
訃報に、「61年『異邦人』で室生犀星詩人賞」と書かれているのを見て、同時受賞した富岡多恵子さん
が、「辻井さんはお金持ちなんやから、賞金なんかいらないんやない。こっちに回してくれたらいいのに」
と言ったという話を思い出した。お金持ちであること、西武系グループの御曹司として生まれたことを、辻
井さんは必ずしも良しとしていなかったのではないかと思う。享年86。ご冥福をお祈りします。
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レモンのしずく
この春、三好達治賞受賞のお祝いにもらったレモンの木に実がなりました。全部で4つ。5月に花の咲
いた後、14,5の実がなっていたのですが、放っておいたら結局4つになりました。適正な数になるように
自分で間引きをしたようです。これをどんな料理に使おうかと、家人は目下思案中です。僕は料理には
興味はありませんが、黄色く輝く実を見ていると、梶井基次郎の小説や荒木一郎の歌が浮かんできま
す。「夜空の星が光る頃 レモンのしずくは眠ります ふんわりちいさな ふとんの上で…」(「レモンのしず
く」)こんな歌です。
仕事の方はまた少しずつ忙しくなってきました。「びーぐる」次号の原稿、新詩集のための作品の手直
し、空とぶキリン社新詩集の編集などなど。次にゆっくりとできるのは12月の下旬頃になりそうです。
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レモンの実 |
コッコも匂いを嗅ぎにやってきました |
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篠山でのイベント 終了
昨日、篠山チルドレンズミュージアムでのイベントが無事に終了しました。天気を心配していましたが、
快晴で、気持のよいイベント日和になりました。会場へ向かう道の両側は田畑が広がり、そこから霧が立
ち上っていて、幻想的な光景でした。寒くて晴れた日にはこんなふうによく霧が発生するそうです。
会場は廃校になった中学校を改修した施設。まわりを山に囲まれた木造の校舎で、何だか懐かしい気
持がしてきます。映画のロケにでも使えそうです。
イベントは3部に分かれ、午前中は校舎の教室を使って、細見和之さんと拙作についての対談。午後
からは広い会場での1行連詩のワークショップとミニコンサート。1行連詩はこどもと大人が混じって、そ
れなりに楽しんでもらえたようです。コンサートでは若い頃に作詞作曲した「草笛の唄」をみんなで合唱
し、細見さんのバンドも細見さん作詞作曲による歌を熱唱。50代の同級生を中心にしたおじさんバンドで
すが、エレキや太鼓があり、かなりの迫力でした。何より演奏しているおじさんたちが一番楽しそうでし
た。来年はNHKの「おやじバンドコンテスト」(正式名「熱血!オヤジバトル」)全国大会出場を目指してい
るそうです。そんな話を聞いていたら、僕も若い頃のようにバンドをやりたくなってきました(もうギターもう
まく弾けなくなったので無理ですが)。
終了後は駅前の居酒屋で打ち上げ。6時から10時頃まで、こちらも大いに盛り上がりました。
朝から夜まで長時間のイベントでしたが、楽しい1日でした。スタッフの皆さん、ありがとうございまし
た!
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チルドレンズミュージアム |
1行連詩 |
ミニコンサート |
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詩誌、雑感
最近は少し時間的に余裕ができたので、この2ヶ月ほど溜まっていた寄贈書を集中して読んでいまし
た。詩集等単行本が40冊、詩誌等が100数十冊ほど。どれも流し読みですが、それでもけっこう時間が
かかりました。単行本については、また次のガーネット刊行前にじっくりと読むつもりです。
詩誌については触れる機会がないので心に残ったものを少し紹介しておきます。
・「詩遊」(NO.40)の林美佐子の詩「私の部屋の桃」。ガーネットの今号にも取り上げたけれど、やはりこ
の人の詩は奇妙でおもしろい。前半だけ引用します。「私の部屋の/テーブルの上の桃は/果物ですが
/女の子でもあります//あなたが桃を/そっとやさしく/少しだけ執拗に/撫でました/私は桃に/
爪で傷をつけました」
・「季刊文科」(60号)の岡井隆のエッセイ「今興味ある詩について」。安西冬衛『軍艦茉莉』、北川冬彦
『戦争』、村野四郎『体操詩集』などを取り上げ、「戦後の詩の歴史の中で、次第に評価が低くなつて、今
あまり人が話題にしなくなつた詩人、詩集について(中略)もう一度話題にすることはできないのだらうか」
と述べている。
・「あすら」33号。沖縄発行の詩誌。今号は特別企画として、尖閣諸島・琉球の帰属問題を取り上げてい
る。教えられることが多々あった。
明日は篠山のイベント。歌と朗読の練習をしてますが、うーん、やっぱり下手です。
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神戸新聞 2つの紹介記事
先日地元の神戸新聞から取材を受けた篠山でのイベントの記事が掲載されました(11月12日朝刊)。
また、その2日前の10日朝刊には山田兼士さんの「高階杞一論」の書評も掲載されました。併せて御一
読いただければ幸いです。
篠山のイベントもまだまだ先だと思っていたけれど、もう今度の日曜(17日)になりました。朗読の練習
や歌の練習もしなければ…(記事に「公の場で歌声も披露する」とありますが、ソロで歌うわけではありま
せん。みんなに交じって小さく歌うつもりです)。
当日は晴天になり、たくさんの来場者があることを願っています。
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やまもとあつこ詩集『ぐーらん ぐー』詳細
やまもとあつこ詩集『ぐーらん ぐー』の詳細を「空とぶキリン社」のページにUPしました。作品も3編掲
載していますので、ぜひご覧ください。
すでにネット上でいくつかの書評が出ています。どれも好評で、発行者としてはうれしい限りです。ご購
読を!(ご注文は書店でもできますが、こちらへ直接メールでお知らせいただくのが確実です)
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ガーネット71号、詳細
ガーネット71号の詳細(目次)を作成しました。「ガーネット最新号」の欄に記していますのでご覧下さ
い。
今号の表紙は「グレーとピンクの組み合わせがおしゃれ」という感想が多く、配色を考えた愚妻も大い
に喜んでいます。色のテーマは「静かな冬の、ほのかな明かり」と書きましたが、妻に確認すると、「冬の
贈り物」だそうです。詩人ですねえ。
締め切り間近だったエッセイと、柳波賞の講評を書き終えて送りました。これでちょっと一段落といった
ところです。
机の周辺にはいただいた書籍やいろんな資料が山積みになっています。しばらくはこれらを整理する
作業に追われそうです。
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「ミセス」12月号
昨日、11月号ならもう手に入らないだろうなあと書きましたが、掲載誌は12月号であることが判明しまし
た。ホームページをアップした後、島田さんからメールが来て、島田さんの書いていた「今月号」というの
が12月号であることが判明した次第です。
その掲載記事も添付でいただきました。さすが作家、思わず手にとって読みたくなるようないい紹介文
です。皆さんもよかったら書店で読んでみてください。
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ダ・ヴィンチとミセス
月刊誌「ダ・ヴィンチ」と「ミセス」に『早く家へ帰りたい』の書評が載っているとの情報を得ました。どちら
も11月号。月刊誌はたいていその月の初めに翌月号が出るので、どちらももう手に入らないかもしれま
せん。
「ダ・ヴィンチ」の方は数日前に情報を得たので、昨日出かけたとき、大きな書店を何軒もまわり、何と
か手に入れました。大きな写真付きで、5行ほどのコメントが載っています。「永遠の愛の形がここにあ
る」という締めの言葉は、作者にとって気恥ずかしいものがありますが、このように紹介してもらえるのは
ありがたいことです。
「ミセス」の方の情報は、今朝、夏葉社・島田さんのツイッターで知りました。作家の堀江敏幸さんが紹
介してくださっているとのこと。こちらは「愛の形の復刻」と書かれているそうです。どんな内容か読んでみ
たいけれど、11月号ならもう手に入らないだろうなあ。残念。
数日前から今月10日締め切りのエッセイを書いています。原稿用紙3枚ほどで、この程度のエッセイな
ら普通2日もあれば書けるのですが、今回はなぜか筆が走らず、苦戦しています。でもまあ詩と違って、
時間さえあれば何とかなると思います。
この後もうひとつ柳波賞講評の締め切りがあって、それを書き終えたらやっと一段落といったところで
す。
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ガーネット71号、発刊!
昨日、予定通りガーネットの最新号ができあがってきました。
早速、用意していた封筒に詰めて発送しました。台湾在住の木敏次の
分と合わせて182部。6日(水)までには読者のお手元に届くと思います。
今回も詩を2つ書きました。この2年ほど「なるシリーズ」と自分で名付け
て詩を作っていますが、今回の詩はどちらもその変形版と言ったところでし
ょうか。ガーネット・タイムは前号「生家跡」の続編。本当の生家跡を見つけ
るまでを描いています。
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表紙の色は毎回悩みの種ですが、今回は最初から妻に任せました。
忙しかったこともありますが、70回もやってくると、配色のタネも尽き、マンネリ気味なので、新たな発想
を期待して任せた次第です。結果は、確かに自分では思いつかない配色でした。グレーの地にピンクの
絵。色のテーマは、「静かな冬の、ほのかな明かり」(ちょっと違うかな?)というようなことを言っていまし
た。早速同人の嵯峨恵子から、「秋から冬のおしゃれな雰囲気がある」との感想が来て、妻は大いに喜
んでいました。さて、ほかの人の感想はどうかな?
詳細については後日お知らせします。購読ご希望の方は「ガーネットの入手方法」の欄をご覧ください。
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