ネット書店の値段の不思議
アマゾンなどのネット書店で、ときどき拙著の状況を見たりします。そのときいつも古書店の値段を不思
議に思います。もう絶版になった古書なら値段に幅があるのは分かりますが、まだ新書の在庫があるの
に、その定価より高い値段で売られていたりします。例えば先月出たばかりの『千鶴さんの脚』(定価税
込み1,620円)が古書で倍近い3,237円という値段が付いています。他にも、在庫のあるものでは、『空へ
の質問』や『高階杞一詩集』に倍近い値段が付いています。こんなの買う人がいるんだろうか?
絶版になった古書でも値段の動きにおもしろいものがあります。例えば、長らく絶版になっていた『早く
家へ帰りたい』(偕成社版)は一時15,000円ほどの値段が付いていたのですが、復刊(夏葉社版)が出た
途端、2,400円ほどに値下がりしています。2年前に出た『いつか別れの日のために』も在庫が無くなり絶
版状態になっているのですが、すでにほぼ倍の値段が付いています。拙著の古書で現在一番高い値段
が付いているのが『春’ing』で、7,135円。逆に安いのが『星に唄おう』の894円。どちらも同じぐらいの部数
が出ているはずなのに、この値段の違いはどこから来ているのだろう? うーん、不思議だ。
『星に唄おう』と言えば、10日ほど前に見たときに、古書店のコメントに、著者の自筆送付状付きと書か
れてあって、そこには「川崎洋様 御一読いただければ幸いです」という内容まで記されていました。これ
にはびっくり。川崎さんはもう10年ほど前に亡くなられているので、ご自身が売られたものではなく、最近
になって遺族の方が蔵書を処分されたのではないかと思えます。今日見たら、これはもう売り切れていま
した。
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STAP騒動
ガーネットの最新号(72号)に「不老長寿も夢じゃない?」と題してSTAP細胞のことを書きました。執筆
当時はまさかこんな騒動が起こるとは夢にも思っていませんでした。1月末、小保方晴子さんらによって
この細胞の発見が発表されたときは、すごい発見だと興奮したものでした。
ストレスによって細胞が万能性を持った細胞に初期化するという発想が何よりすごい。
STAP細胞が実際にあるかないかは別にして、この発想は生物の有り様(種の維持)とも深く関わって
います。例えば植物における落葉。猛暑の夏など、サクラがいっせいに葉を落とすことがあります。一般
の人は、木が弱って葉を落とすのだと思うかもしれませんが、そうではなく、これは弱らないために木が
自ら葉を落とす現象です。葉というのは成長活動を担う器官です。厳しい暑さの中で活動していると、ま
すます弱り、枯死という深刻な事態を招きかねません。人間でも猛暑の中で運動などしていると、熱中症
で倒れたりするのと同じです。そうなる前に木は葉を落とし、睡眠状態に入るわけです。動物でもショウジ
ョウバエなどは外的な刺激によって遺伝子に変化が生じることはよく知られています。
というようなわけで、ストレスによる細胞の初期化もあり得ると思えたのでした。
今回の騒動でSTAP細胞の存在自体が疑われ始めていますが、あってくれたらいいなあと淡い期待を
抱いています。小保方さんの論文はお粗末でしたが。
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第4回「萩原朔太郎記念とをるもう賞」締め切り間近
第4回「萩原朔太郎記念とをるもう賞」の公募締め切り日が近づいてきました。今月末まで。
この賞の創設に尽力し、選考委員でもあった三井葉子さんが1月に亡くなられ、存続も危ぶまれたよう
ですが、運営委員の方々の努力で継続されることになったのは喜ばしいことです。新人・新鋭が対象との
こと。皆さん、どんどん応募してください。
こちらは連日の飲み会も終わり、今日は一日ゆっくりと過ごしました。
『千鶴さんの脚』の発送第2弾で16冊ほど送りました。これで謹呈分は全部で117冊。
メールや手紙で感想が返ってきています。どれも身に余る言葉であふれ、ありがたい限りです。詩人以
外の方々にも広く読んでいただけることを願っています。
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時給880円
昨日は元同僚たちとの飲み会でした。3人の予定が、来たのは二人だけ。どちらも同じ歳なので、2年
前には定年退職しているのですが、嘱託として残り、この4月からはさらに待遇が下がり、非常勤職員に
なったとのこと。非常勤職員と言ってもアルバイトのようなもので、一人は時給880円になったと嘆いてい
ました。もう一人は日給12,000円で待遇はいいものの、3ヶ月間限定の雇用だとのこと。どちらも働かなく
ても悠々自適のはずなのに、なんで?と尋ねると、家にいても煙たがられるだけだからという答。なるほ
ど。でも、そんな表向きの理由とは別に、どちらも働いていることが楽しそうでした。12年前に仕事に嫌気
が差して辞めた自分には信じられないことですが、仕事が楽しいというのは何よりのことだと思いました。
昨日の日記に、「内容を明かしたとたん、何だそんなことかと思われたらどうしよう。」と書きましたが、
後で考えたら、これは相手側の人に失礼な言いぐさでした。反省して書き直します。やっぱり、すごいこと
です!
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びーぐる編集会議
昨日は梅田で「びーぐる」の編集会議がありました。いつもの居酒屋に編集同人の山田兼士、細見和
之の3名が集まり、次号の校正や次々号の特集などについて話し合いました。特集は企画ができていた
ので、それほど議論することもなく終了。後は飲みつつ食べつつ雑談をして、2時間ほどでお開きになり
ました。寒い夜でしたが、日本酒を重ねているうちに体も温まってきました。
雑談の中では「うれしいこと」の話も出ました。内容を聞かれましたが、やっぱりまだ話せません。メー
ルでも新たに、『早く家へ帰りたい』の映画化?というような推理も来ました。これならちょっとどころかす
ごくうれしいんですけどねえ。それにしても、こんなにもったいぶっていて、内容を明かしたとたん、何だそ
んなことかと思われたらどうしよう。うーん、早く白状してしまいたい。
今日もまた飲み会があります。勤めていた頃の同僚たちとの飲み会ですが、辞めてから10年以上経つ
のに、まだ誘ってもらえるのはありがたいことです。
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うれしいこと(2)
一昨日、ちょっとうれしいことがあったと書いたところ、何人かの人から、こんなことじゃないかという推
理のメールが来ました。列挙すると、
・何か詩の大きな賞を射止めた。
・音楽関係。
・テレビの出演依頼が来た。タイトルは「今、話題の本の著者」。
・春の叙勲。
最後の叙勲と言ってこられた方は、園遊会での会話まで想像されています。
皇室の方「高階杞一さん、心あたたまる素晴らしい詩をお書きになられて…」
高階さん「ありがとうございます…(でも、エッチな詩も書いてるんだけどなぁ)」
これには思わず笑ってしまいました。
残念ながらどれも外れています。
もう少しヒントを出すと、直接自分が何か栄誉を受けてうれしいというようなことではなくて、人から頼ま
れていたある事柄が実現してうれしいというようなことです。それがかなり可能性の低いことだったので。
公式発表までまだ内容を明かせないのですが、知ったらたぶん多くの方が意外に思われると思います。
というようなことで、さらに想像をたくましくして推理を楽しんでください(笑)。
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うれしいこと
昨日はちょっとうれしいことがありました。まだ内容はしばらく明かせませんが、知ったら、えっ!?、と
多少は意外に思われるような内容です。と言っても、僕にこもどができたとかいうような、そんな話ではあ
りませんよ。この年ではさすがにもう無理です(笑)。
発表まで、何だろうと想像しつつお待ちください。
今日から4月。東京などではもう桜が満開のようですが、我が家の周辺地域ではまだ5分咲き程度。さ
らに我が家の周りでは、山の上なのでまだ開花直前といったところです。
仕事の方はやっと落ち着きました。原稿の締め切りも当分なく、しばらくはゆっくりとできそうです。
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久野雅幸詩集『帽子の時間』詳細
久野雅幸詩集『帽子の時間』の詳細を「空とぶキリン社」のページにUPしました。作品も3編掲載してい
ますので、ぜひご覧ください。
ご注文は「空とぶキリン・ネット書店」よりお願いします。
空とぶキリン社ではさらに次の詩集の制作を進めています。ここ最近は年間2冊のペースでしたが、今
年は3冊ぐらいになりそうです。自分の仕事のことも考えると、年間4冊が限度かなと思っています。です
ので、3冊ならまだ大丈夫。
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空とぶキリン・ネット書店 オープン!!
空とぶキリン社のネット書店がオープンしました。立ち上げると言ってからはや2年。家人(笹野裕子)
が苦労の末、やっとオープンまでこぎつけました。
空とぶキリン社から出版された詩集、ガーネット、それに代表である拙著も販売しています。将来はガ
ーネット同人の著書やその他の詩人の著書も委託販売したいとのこと。
まずはオープン仕立ての店内を覗いてみてください。店長のおもしろおかしい日記もご覧いただけま
す。コメントなど書いてもらえたらきっと喜ぶと思います。ホッピー、コッコの写真も載っています!
空とぶキリン・ネット書店、略称「とぶりんネット」だそうです(笑)。
昨日は彼岸のお墓参りに行ってきました。彼岸も過ぎ、平日だったので、参拝者は他に誰もいませんで
した。彼岸の3が日にたくさんの人が訪れたようで、どのお墓にも花が供えられていました。曇りのち晴
の、暑いぐらいの1日でした。
今日は雨。この時期の雨を「花起こしの雨」と言うそうです。暖かい雨で桜の目もどんどん覚めていくよ
うです。
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空とぶキリン社の新詩集―久野雅幸『帽子の時間』刊行!
昨年末から手がけていた空とぶキリン社14冊目の詩集『帽子の時間』が今日
できあがってきました。作者は山形県在住で、同人誌「山形詩人」同人の久野雅
幸(くの・まさゆき)さん。11年ぶりとなる第3詩集です。
表紙画は池田順子詩集『水たまりのなかの空』と同じ平野はるひさん。今回も
ステキな絵を描いてくださいました。
詩集の詳細は後日お知らせします。とりあえず表題作(連作のラスト)を御一
読ください。
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帽子(三)
久野雅幸
帽子かけに帽子をかけて
人が立ち去ったあと
帽子は
過ぎてきた場所の記憶に
ふけっていることがある
通り過ぎた小径の
日ざしのぬくもりと
木立のにおい
触れ合った
花のかおりは
身体に付着して
まだ消えない
(帽子(三)の最終章)
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