春の雪
昨日はかなりの雪が降り、辺りいちめん銀世界になった。ここは山の上だけど、雪が降って積もるのは
一冬に数回ほどしかない。この冬もこれで3度目くらい。積もると言っても北国のように何10センチもとい
うわけではなく、ほんの1、2センチ。天上からふわふわと綿のように降ってくる雪を見ていると、何だか幻
想的な世界に誘われていく。ホッピーも一緒に空を眺めていた。何か思っているんだろうか…?
ホッピーは犬のくせにコタツが大好きで、部屋にいるときはコタツのなかで丸まっている。寒がりなのかと
いうとそうでもなく、外に出て遊ぶのも大好き。昨日はホッピーが我が家に来て初めての雪。庭に出すと大
はしゃぎ。雪を食べたり、走り回ったり、スライディングをしたり…。「犬はよろこび庭かけまわる」という童
謡を思わず思い出した。部屋にいるときは猫で、外に出ると犬に戻るのかもしれない。
関西では、お水取りが終わると春がくる、という謂いがある。芭蕉の「水取りや籠(こも)りの僧の沓の音」
という句が思い浮かぶ。この「籠り」の部分、「氷」になっている本もある。どちらが本当なんだろう。僕とし
ては「氷」より「籠り」の方が雰囲気があっていいなあと思うのだけど。それはともかく、お水取りも14日ま
で。解けてきた雪の向こうから春の足音が聞こえてきそうな気配がします。
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雪の庭を見つめるホッピー(3月8日 生後98日目) |
雪の庭で遊ぶホッピー (3月8日) |
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ガーネット/芸能人
●ガーネット最新号(42号)が先月の28日に出来上がってきました。「ガーネット」の欄に内容(目次)を紹
介していますのでご覧下さい。今号の拙作「桃の花」は、「文學界」3月号に書いたものと同じタイトルです
が、作品は別。書いている途中で違う2つの作品が出来上がってしまったもので、僕にはこういうことがた
まにあります。また、ガーネット・タイム「ホッピーやん」では、ホッピーの名前の真実(?)が明かされていま
す。御一読を。
●我が家の近所にポップス系(?)の歌手が引っ越してきて、今朝、ご夫婦で挨拶にみえられた。プライバ
シー上名前は明かせないけれど、この人のヒット曲は大好きで、カラオケなんかでよく歌っています。今朝
その曲のCDを頂き、ちょっと得した気分に。
それにしても、芸能人と直接話をするなんて、「およげタイ焼きくん」の子門真人さん以来(大昔、ある音
楽祭で、彼が歌手として、僕が別のバンドの作詞・作曲者として隣同士の席でした)。アイドル歌手ならファ
ンが押し寄せてうるさいかもしれないけれど、ま、おじさんなのでそんなこともないだろう。それより、彼の友
達の芸能人(かわいい女の子!)がたまには遊びに来るかも、なんて別な期待をしたりして(甘いか…)。
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終わった終わった
ガーネットの編集作業が21日(土)に終わり、印刷所に入れました。仕上がりは28日(土)の予定。発行
日に間に合って、ほっと一安心。次の締切は4月なので、しばらくはのんびり。としたいところだけれど、確
定申告をしたり、犬小屋を注文したり、妹に買ってやったノートパソコンの設定をしたりと、3月は何だか雑
用に追われそうな気配です。
確定申告はもう10年以上しているけれど、毎年書いていると憂鬱になる。雀の涙ほどの申告額なのに、
資料をいっぱい添付しなければならず、まとめるのに1週間以上かかったりする。詩人は税金がタダという
ことになればいいんだけれど(甘いか…)。
ホッピーは元気です。ついに2階まで上がってくるようになって、仕事が中断することもしばしば。先日、
体重を量ったら4kgちょっとあり、もらってきた1ヶ月前の2倍近くになっていました。ほんとに目に見えるよ
うな成長ぶりです。4月になったら外で飼う予定ですが、ずっとリード(ひも)を付けておくのもかわいそうな
ので、庭の柵をどうしようかと目下頭をひねっています。犬って意外とお金がかかるなあ、というのが実感
の今日この頃です。
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1万、突破!
2日前にアクセスカウントが1万を突破した。去年の4月6日に公開したから、月平均でほぼ1,000人
の来訪者があったことになる。大台に乗るというのはやはりうれしい。これからもたくさんの方に見ていた
だけるように、内容もより充実させ、更新もこまめに行っていかなければと思う(しんどいけど…)。
ところで、2日前はいつもよりアクセス件数が多かった(倍くらい)。ひそかに1万目を狙っている(?)人
が何人もいたんだろうか? 1万目の人には記念品でも、と思ったが、そうすると2万目の時に混乱するか
もしれないのでやめることにした。その代わり、おめでとう!の言葉を贈ります(そんなのもらってもうれしく
ないかもしれないけれど…)。
ガーネットの編集は、今で7合目を少し過ぎた辺り。ねじり鉢巻きはしてないけれど、ふうふう言いながら
ガンバッテいます。
ホッピーの写真はなかなか好評で、親バカ(僕)は喜んでいます。他の
ことはどうでもいいから、ホッピーのことばかり書いて! と言ってきた人
も…。そんなわけにもいかないんだけど、好評に応えて新たな写真を載
せることにします。知人が訪ねてきた時、娘さんと一緒に撮った写真。
ね、みんなかわいい!でしょ?
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(2月8日。ホッピー 生後69日目)
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ホッピー、大暴れ!
以前にも少し書いた(2003.10.27付け)ことのある柳波賞という童謡の賞の授賞式参列のため、7
日、8日と群馬県沼田市まで行ってきた。ホッピーが我が家に来てから初めての2日間もの留守。顔が見
られないのは淋しいが、仕事だから仕方がない。女房からの電話で様子を聞くと、いない僕を探したり、朝
は階段の下にちょこんと座って、下りてくる(はずの)僕を待っていたりするという。何ともいじらしい。すぐに
でも帰りたくなってくる。
今朝、東京からの夜行バスで帰宅し、玄関の扉を開けると、待ちかまえていたように飛びついてきた。そ
れからが大変。半日ほど留守にしただけで部屋の中を走り回って大暴れするのに、2日間だから4倍分大
暴れする。走り回り、そこら中を噛みまくる。こうなったら手が付けられない。怒ったり、なだめすかしたりし
つつ、興奮が収まる時を待つ。一緒にいる時間も長くなる。今日は公園にも行ったし、部屋でも長く遊んで
やった。こんなことをしていていいんだろうか…?
ガーネット次号の編集も遅々として進まない。「ちゃんと予定通り出るんでしょうね」と念を押す怖い(?)
同人の方もおられるので、発行を遅らせるわけにはいかないし…。ああ、どうしよう…。
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首を傾げるホッピー(2/7 生後68日目) |
爆睡中のホッピー(2/2 生後63日目) |
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ホッピー
前回書いてから1週間以上も空いてしまった。これには二つ理由がある。一つは25日締切の詩の原稿
に追われていたこと。こちらは無事に書き上げ、「文學界」3月号(2月7日発売)に掲載予定。書店で覗い
てみてください。
そして、もう一つは、我が家に子犬がやってきたこと。近くのスーパーに買い物に出かけたとき、壁に「子
犬もらってください」の張り紙があるのを見つけた。前から犬を飼いたいと思っていたので、すぐさま電話を
したら、まだ残っているとのこと。その家は偶然にも自宅から歩いてすぐの所。その日はもう遅いので翌朝
もらいに行った。1月22日(木)のことだった。
その日から大変。動物病院へワクチンの注射をしに行ったり、食事の世話をしたり、庭で遊ばせたり…。
来た最初の日はおとなしかったけれど、次の日にはもうすっかり慣れて、部屋の中を走り回って遊ぶ。生
まれたのが去年の11月27日なので、ちょうど今で2ヶ月目くらい。ま
だ子供なので、すごく甘えん坊さんです。ひとりで4,5時間も留守番を
させると、帰ってきたとき、部屋の中を暴れ回って大変。そこら中の物
を噛みまくる。気が狂ったんじゃないかと思うくらい。でも普段はとても
かわいい、いい子です。こういうのを親バカというんだろうか? 名前
はホッピー。ホープ(希望)とハッピー(幸せ)を合成して付けました。と
書いていたら、下でクークーと鳴きだした。ちょっと散歩に連れて行っ
てきまーす。
(写真:庭で遊ぶホッピー。柴犬の雑種です)
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舌にピアス
先日、芥川賞発表の記事が新聞の一面に大きく出ていた。芥川賞が新聞のトップをこんなに大きく飾る
のなんて、僕の知る限り初めてではなかろうか。19歳と20歳。最年少で、しかも女の子!のダブル受賞
だから、大新聞も芸能ネタ的に大きく取り上げたのかもしれない。確かに話題性はあるが、文学はアイド
ルの世界とは違う。芸能人は歯が命だけれど、文学は文才が命。内容がよくなければ単なる一過性で終
わってしまうだろう。
ダブル受賞した二人のうちひとり、金原ひとみさんが、「私も(小説の主人公と)同じように(舌にピアスを)
やりたかったけど、彼も友人も止めるから…」とインタビューで答えていた。舌にピアスをしたいなんて、僕
のようなおじさんには到底理解できない。4、5年前、当時勤めていた職場で唇にピアスをした女の子を見
たことがある。職員ではなく、職員の娘さんであったが、彼女が部屋に入ってきて、間近にその顔を見た時
にはかなり驚いた。唇に何かくっついているのかと思ったら、ピアスだった。どうしてこんなことをするんだ
ろう。ご飯を食べる時、邪魔にならないんだろうか、とまず思ったものだった。当時、ピアスをするのが流行
っていたが、唇にまでするというのは予想外だった。それが舌ともなれば、なおさら食事がしにくいだろう、
と思ってしまう。(食べる時は外すのかなあ…?)。
アフリカでは、ピアスではないけれど、頬を矢で突き通すのがおしゃれだという部族もいる。所が変わり、
時代が変わればおしゃれの仕方も変わる。そう思えば、舌にピアスもそれほどヘンではないかもしれない
…。まあ、そうしたいという女の子の気持を理解できなければ、この小説も本当には理解できないのかもし
れない。
ところで、この金原ひとみさん、受賞記事を読んでいる途中で僕の知人のお嬢さんだと分かり、びっくりし
た。もう一度写真を見直した。舌にピアス、反対されてよかったな、と何だか我が娘のことのように思われ
てきた。そして、受賞がとても嬉しく思われてきた。
金原さん、おめでとう!
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イタリア観光記(4)−「過激な一日」の巻
イタリア観光記、前回書いてからまたまた日が経ってしまいました。今回を含めて、後2回で終わる予定
ですので、もう少しお付き合い下さい。
イタリアでの最終日、ローマで過ごした一日はかなり過激な一日だった。
朝からバチカン美術館、サン・ピエトロ寺院などを見学し、次の観光地コロッセオ(紀元1世紀に建設され
た巨大な闘技場)の前でお昼をとっている時だった。突然車の大きなブレーキ音がして、驚いてそちらを見
ると、女の人が道に倒れていた。道路に面した屋外のテーブルに座っていたので、そこまでわずか4、5メ
ートルほどの距離。事故を目撃した妻によると、その女性ははねられて空中を1回転したという。それほど
の事故なのに、何とその女性はすぐに立ち上がり、いきなり大きな声でわめきだしたのだった。30代後半く
らいの中国人で、額には大きなこぶが盛り上がっていた。車から降りてきた運転者にわめき、駆け寄って
きたツアー仲間にも何事かわめいている。
すごいなあ、と思った。車にはねられて、あれだけ元気に(?)わめき散らせるものだと驚いた。日本の
女性ならとてもああは行かないだろう。立ち尽くして呆然としているのが関の山ではなかろうか。さすが中
国4000年の歴史、とはまさかその時には思わなかったけれど、中国人のパワーに圧倒された気がした。
すぐに救急車が来て、その女性はわめきながら運ばれていった。
午前中、満員の地下鉄車内で女の子のスリ集団に危うくスラれそうになり、午後は目の前のこの事故。
夕方からは旅行中初めての雨が降り出した。夜、レストランで食事をしながら、「今日は過激な一日だった
ね」、「ひょっとしたらツアーの仲間で、ひとりくらいスリの被害に遭っている人がいるかもしれないね」などと
話し、「念のため、バッグの中身を調べておこう」と冗談半分に点検すると、デジカメが消えていた。バッグ
の横が切り裂かれ…。
ローマの休日は、僕にとってロマンチックからはほど遠い、本当に過激な一日だった。
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七草粥
お正月もあっという間に過ぎた。おせちを食べて、お酒を飲んで、テレビを見て…と、今年もありきたりな
お正月。でもこんなありきたりなお正月を迎えられることを、本当はありがたいことだと思わなければならな
いんだろう。世界を見渡せば、ありきたりのお正月を迎えることのできない人の方がむしろ多いのかもしれ
ないのだから。
それはともかく、明日は1月7日。七草粥。7種類の野草を入れたお粥を食べるという日。今はお正月の
暴飲暴食で荒れた胃を七草の粥で癒そうという意味合いぐらいしか残っていないが、昔はもう少し違った
意味合いがあったのではないかと思う。さまざまな野菜を冬でも自由に手にすることができるようになった
のはここ100年くらいのことで、千年以上も昔の冬には青物を口にすることはかなり難しかったに違いな
い。それで、春先に芽を出し始めた野草を摘んで、乏しい青物を少しでも口にしようとしたのだろう。
セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ…。今はこうした野草を入れた「七草粥セット」がスーパーでも売られて
いるが、実際の山野にはこの時期まだ芽が出ていない。旧暦の1月7日は今の2月下旬頃。この頃になっ
てようやく芽が出て、摘めるようになってくる。我が家では毎春、近くの公園で食べられる野草を摘んで、テ
ンプラにしたり、おひたしにしたりして食べている。おすすめの野草は、カラスノエンドウとギシギシ。皆さん
もこの春は、一度試されてはいかがでしょう。ただし、食べられる野草かどうかの見分けが必要ですが。
ちなみに春の七草の「ホトケノザ」はキク科のヤブタビラコという草の古名で、現在の「ホトケノザ」とは全
く別物なので、間違って食べたりされませんように。
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大つごもり
今年もいよいよ最後の日となった。
この1年も実にいろいろなことがあった。
世界的にはイラク戦争という悲惨な出来事があり、まだその尾は引いている。引いたまま年を越えてい
く。「戦争の世紀」と言われた20世紀を終えたのに、まだ世界の各地で戦争は続いている。人間という生
き物がある限り、争いは絶えないのだとしても、個人の域を超えた「戦争」はもうそろそろ終わって欲しい。
それを終わらせることができるのはやはり個人の良識の集合でしかないと思えるのだけれど…。
個人的にもいろいろとあった。詩集の出版、イタリア旅行、身内の入院、疎遠と出会い…。
そんな諸々を越えて今年も終える。
大晦日は30日(みそか)の最後の月から来た謂い。それよりも「大つごもり」という言い方の方がいいな
と思う。「つごもり」は月の隠れる(こもれる)日。即ち月の最終日。その最後の月の最終日。樋口一葉の
「大つごもり」を思い出す。明治の町並みにしんしんと降りしきる雪の情景が浮かぶ。来年はどんな年にな
るのだろう…。
皆様、よいお年を!
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