年賀状
先日、年賀状の印刷をしている途中でプリンターが壊れてしまった。ちょっと目を離したすきに紙詰まり
が起こり、その後、何度やってもハガキが印刷途中で止まってしまう。貴重な年賀ハガキがそれで10枚
ほどダメになってしまった。プリンターの内部を清掃したり、設定を変更したり、とあれこれやっているうち
にかなり改善したけれど、まだ完全には直っていない。このまま直らないと、新しいプリンタを買わなけれ
ばならないことに…。ああ…。
年賀状は実家の分も含めて350枚ほど。どう考えても多すぎるので、日頃付き合いのない人の分は減
らそうと思うのだけれど、いざ名簿から外そうと思うと迷ってしまう。一度外すと、それで完全に縁が切れ
てしまうようにも思われて。
お正月、届いた年賀状に目を通すのはうれしい。全く会っていない人でも近況が窺えて、久し振りにそ
の人を思い出したりもする。年賀状は儀礼だからといって全く出さない人がいるけれど、近況を知らせあ
う効用もあるように思う。仕事に追われて中断していたけれど、今日からまた年賀状の作成を再開。どう
か、プリンターが正常に動いてくれますように…。
年内の締切は後1つ。お正月まで後10日。もうひとがんばりしよう。
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夢を瞬時に凍らせるから
2003年7月7日に亡くなった柴田基孝(もとのり)氏の遺稿集を奥様から送って頂いた。タイトルは『別
の場所から』(あざみ書房)。編集は、柴田氏と50年来の知己であった藤富保男氏。最後の詩集『水音
楽』(1996年)以降の詩編と、詩論、エッセイ等が収められている。僕は氏の第1詩集『キリン論』(197
1年)以来のファンであった。もっともこの詩集のことを知ったのは、ずっと後のことで、藤富さんがこの詩
集の中の一篇を取り上げたエッセイによってであった。その奇抜な時空の展開に仰天し、早速氏に手紙
を書き、その詩集を懇望した。しばらくして氏から次のような返事と共に本が送られてきた。「もう手許に
二冊しかないのですが、一冊差しあげます」。僕は小躍りしてその詩集を繰り返し読んだ。返事の日付は
1980.10.23となっている。今から24年前、柴田さん51歳の時だったんだ、と思う。
雀が屋根にむらがる日常の風景はとても健全な思想というべきだ
雀はまばたきもせずに電線の光を読んでいる
耳をわるくしたベートーベンは
筆談帳を百三十八冊残して死んだ
人間の耳は小さなタケノコ
冬がくるとき
きみはまばたきをしてはいけない
冬は瞬時にしてくるから
きみの夢を瞬時に凍らせるから
(『別の場所から』「健全な屋根」より)
今年も残り少なくなってきた。年内の締切は後2つ。大学の講義も後一回。今年の仕事ももうすぐ終わ
る。その後はまばたきをせず、ゆっくりと次の夢を温めよう。
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ホッピー、満1歳
ホッピーが先月の27日で満1歳になりました。人間でいうと17歳くらいだとか。ピチピチの少女です。
でも相変わらず悪戯(いたずら)ばかり。部屋の中を走り回ったり、手や足に噛みついてきたり。まだ幼
児性が抜けていないんだろうか? 好きな男の子でも現れたら少しは女の子らしくなるかと思ったりもす
るけれど、それはそれでまた心配でもあるし…。
散歩のコースに気に入った男の子(?)が何匹かいるけれど、どの子とも適当に鼻をあわせてクンクン
やっている。浮気性なんだろうか? 「誰に似たんだろう?」と女房に時々言われたりもして…。「でも、ホ
ッピーはいい子だから」とか何とか、適当にごまかしたりもして…。
1周年記念(?)ということで、もらってきたばかりの頃と今日撮ったばかりの写真を載せます。成長ぶり
をご覧下さい。体重は2kgから9kgになりました。
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2004.2.8 生まれて40日目 |
2004.12.2 1年と5日目 |
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「私の絵日記」
最近、おもしろい本を読み終えた。藤原マキ著「私の絵日記」。藤原マキと
いっても、知らない方が多いだろう。漫画家・つげ義春氏の夫人である。藤
原マキという名は、結婚前、唐十郎氏の劇団「状況劇場」で舞台女優をして
いた時の名前だと思われる。1999年に胃癌により他界。
本書には、つげ家の1年間を絵日記で綴った表題作の他、彼女のエッセ
イ、つげ家の写真集、つげ義春自身の談による妻の思い出などが収められ
ている。つげ義春のファンにとっては興味深い一書であるが、それだけにと
どまらず、作者の描く素朴な絵と文章は、ある種の郷愁を伴って、読む者の
胸に沁みいってくる。家族として生活を送っていく中での喜びや哀しみが、ま
るで身近な出来事のように伝わってくる。
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右の絵は2月29日の日記に添えられたもの。文章は次のようになってい
る。
「昼過ぎ予約しておいたので歯医者へ行った。心ぼそいので正助もつれて
いった。バッハの曲が流れ、みっちりやってくれたが帰ってみると、治療の関
係上健康な歯迄けずられ、化け物みたいではないか、その上、治療代だけ
で五〇二〇円もとられ、そらおそろしくなってしまった。お金をボンボンとられ
てオトウサンに申し訳なくてしょうがない」
僕も今歯医者に通っている。歯医者って、ほんとにどうしてあんなに歯を削
るんだろう。 これだけ医学も進歩してきたのに、歯医者の治療法だけは昔
と変わらない。レーザーか何かでもっと簡単に治療する方法が早くできて欲
しい、とつくづく思う。
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一段落
遅れていた詩の原稿も先日書き終え、大学の講義も来週は祭日でお休み。ちょっと一段落、という感じ
になりました。たまっていた雑用を片付けつつ、好きな映画をビデオで観たりしています。今週観たのは
「シービスケット」と「イン・アメリカ」の2本。「シービスケット」は落ちこぼれの競争馬と落ちこぼれの騎手
を中心に、「人生いろんなことがあるけれど、がんばれば何とかなるよ」というメッセージを含んだお話。
「イン・アメリカ」は、アメリカに移民してきた貧しいアイルランド人家族のお話。幼い子供(男の子)をちょ
っとした不注意で亡くしたことにトラウマを持つ両親を主軸に描きつつ、娘二人のあどけない明るさが、こ
の映画を「絶望」ではなく「救い」に変えているようでした。ちなみにこの映画の副題は、「三つの小さな願
い事」。
他に最近観た中でよかったのは、「ミスティック・リバー」「ビューティフル・マインド」「「山の郵便配達」
等。映画好きの方にはどれもお薦めの一本です。
今月から京都新聞「新刊詩集」の書評欄を担当するようになりました。1回目に取り上げたのは、松川
紀代「舟 その他」、中川道子「ずっと会っていたように」、西川保市「大切な人」、木下幸三「地球とのつ
きあい」の四書。京都周辺の方は御一読を。
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●ガーネット最新号(VOL.44)発刊
11月5日にガーネット最新号が発刊されました。購読会費も値下げしましたので、ぜひご購読を。
●現代詩人文庫「高階杞一詩集」の購読について
上記詩集が発刊されてから1ヶ月が経ちました。その間、何人かの人から、「書店に行ってもなかった」
という問い合わせがありました。そこで、発行元の砂子屋書房に問い合わせたところ、次のような回答が
ありました。「配本については、当社はあまり積極的に全国に撒いたりしない方針なので、(本が傷む、冊
数をあまり多く作っていない等の理由ですが)書店で手にとってご覧いただくのは困難かもしれません」。
まさかと思い、市内のかなり大きな書店に行ってみましたが、本当に(!)1冊も並んでいませんでした。
というわけで、本書をお求めいただくには、最寄りの書店で予約するか、砂子屋書房に直接注文する
か、ネット書店(「イーエスブックス」、「e−hon」等)に注文するか、といった方法しかないようです。多くの
人に手にとってもらいたい著者としては残念な「方針」ですが…。
●ホッピー、手術
10月の終わり、2階の自室にいたら、階下からホッピーの激しく泣き叫ぶ声が。驚いて下に降りると、
コタツの横で泣き叫びながら暴れ回っていました。コタツのコードが体にからまっていたので、一瞬、コー
ドをかじって感電でもしたのかなとびっくり。でもよく見ると、そうではなく、コタツのコードを天板に引っか
けるS字型の金具がホッピーの足に食い込んでいて、その痛みで泣き叫んでいたのでした。暴れるほど
にそれが食い込んでいくので、慌てて抑え、何とか金具を外してやりました。傷口を消毒し、その後も普
通に歩いたり走ったりしていたので、まあ大したことはなかったんだろうと思い、様子を見ることに。
翌日、元気に庭で遊んでいるけれど、しょっちゅう足の傷口をなめていて、気になって見ると、赤く血が
滲んでいて、昨日より傷口が深くなっているような…。これは病院に連れて行った方がいいなと思い、す
ぐさま連れて行くと、傷が深いので縫う必要があると言われ、その場で縫合手術。手術の後、麻酔が効
いて人形のようにふにゃふにゃになりながらも、床の上で必死で立とうとしている姿は、哀れでかわいそ
うでした。でも、それから10日ほど経ち、今はすっかり元気です。庭で走り回っていますのでご安心を。
●原稿締切
ガーネット発行後も2つの原稿の締切に追われ、ひとつはできたけれど、もう一つ(詩)がまだ。もう締
切は過ぎたのに、どうしよう、と焦りつつ、お酒を飲んでいます。
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●天変地異
相次ぐ台風の来襲、大地震、熊の人里への出没…。今年の日本列島は、至る所で自然の猛威にさら
された。どれも天災である。しかし、簡単に天災だと言ってすまされないような気がする。
生態学の見地から言えば、自然というのは必ず元に戻ろうとする方向に力が働く。元に戻ろうとすると
いうのは、安定化ということである。山を削り道路を造れば、その周囲にクズを始めとして様々な草が生
えてくる。それは裸地となった土地を安定させ、さらには奥にある森を急激な環境変化から守ろうとする
働きである。山を削り、急勾配の斜面に家やマンションを建てれば、山は安定した形に戻ろうとして土砂
崩れ等を起こす。熊の出没の多発も、単に台風で食べる実が少なくなったからと言うことではなく、遠因
を遡れば、熊の生息域である森の環境を人間が不当に変形させたことによると思われる。地震も、大き
な意味で、自然の安定化のための働きであると考えられる。
都会では大半をコンクリートやアスファルトで覆い、大量の二酸化炭素や有害物質をまき散らしてい
る。何だか恐ろしい。相当に自然の鬱憤が溜まっているようで…。
それはそれとして、被災地の皆様にはお見舞い申し上げます。
●ガーネット VOL.44
遅れていたガーネットの編集作業が先日終わりました。11月5日の発行予定です。ご愛読頂いている
皆様にはもう少しお待ちいただければ幸いです。尚、今号から購読会費を値下げすることにしました。今
までの3号分2,000円を4号分2,000円に。新たに購読をご希望の方は、メールにてお申し込み頂け
れば幸いです。
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●台風被害
台風23号で被害を受けた各地の様子がテレビ等で報じられている。水に浸かった町や、土砂に押しつ
ぶされた家屋など、いかに今回の台風がすさまじかったかが分かる。
我が家の近隣地区でも被害があったと新聞に報じられていたことから、何人かの人が心配してメール
を下さったりした。近いけれど、こちらは被害なし。
今住んでいる町は山の上なので浸水の心配もないし、周りに崖などもないので土砂災害の心配もな
い。被害があるとしたら、樹木が倒れてくるくらいで、まあ台風で大きな被害を受けることはないだろう、と
思っていた。ところが今回、被害を受けてしまった! 台風の過ぎ去った朝、庭に出て、何気なく屋根の方
を見たら、テレビのアンテナが倒れて落ちかかっていた。どうも固定していた針金が強風のために切れて
倒れたようだった。そう言えば昨夜、何かガタンという音がしたような…。
被災地の人から見れば、取るに足らない被害ではあるけれど、新品との取り替え工事に約6万円。貧
乏人には痛い出費であった。
●訃報
昨日(22日)の朝刊に、川崎洋さんの訃報が出ていて、びっくり。氏とは一度だけお目にかかったこと
がある。「スポーツ詩集」というアンソロジー集を川崎さん、藤富保男さん、それに僕の3人で出す企画を
進めている時だった。打ち合わせを兼ねて、3人で2時間ほどお話をした。川崎さんは理路整然と企画に
ついての話をされ、几帳面なお人柄が伺えた。代表作「はくちょう」は、「はねが ぬれるよ はくちょう」と
いう語りかけから始まっている。心の優しい方だったのだろう。ご冥福をお祈りします。
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「高階杞一詩集」発刊!
広告が先行し、発行が遅れていた「現代詩人文庫・高階杞一詩集」(砂子屋書房)がやっと出ました。
一時は、ちゃんと出るんだろうかと不安に駆られていただけに、一安心。詳細については「情報」の欄を
ご覧下さい。
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口からカメラ
この欄の9月25日付で、「お尻にカメラ 」と題して、大腸ポリープの検査は異状なかったけれど、同時
に受けた血液検査で、癌の可能性があると言われ、また再検査をすることになった、と書いた。この検査
は、口からカメラを入れて胃の中を調べるもの。今月の初め頃その検査を受けた。結果は異状なし。慢
性の胃炎の症状が見られるが、問題はないとのことだった。何はともあれ、ホッと一安心。それにして
も、胃カメラは苦しかった。痛みはないけれど、えづいて、吐きそうになるような気持ち悪さ。検査の後、
お尻から入れられるのと口から入れられるのと、どっちの方がマシだろうと考えた。その結論は…。次号
のガーネットに書いていますので、続きはそちらでお楽しみ下さい!
ガーネットの編集作業に目下励んでいます。今の調子で行けば、予定通り11月1日には発行できると
思います。ただ、締切のある仕事がまたあれこれと増えてきたので、それとの兼ね合いでどうなるか…。
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