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日々のあれこれ

日々のさまざまな思いや出来事を、つれづれなるままに綴っていきます。

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2011年6月5日 日曜日

島田さんの声
 昨日は4月18日に亡くなった島田陽子さんとお別れする会が大阪市内でありました。童謡や金子みすゞ の研究など、現代詩以外でも活躍されていた方だけに200人近い方が参列されていました。
 島田さんに初めてお目にかかったのは1990年、三井葉子さんが呼びかけ人になって催してくださった 僕の「H氏賞受賞を祝う会」のときでした。そのときまで島田さんのことは全く知りませんでした。作詞され た「世界の国からこんにちは」はもちろん知っていましたが、それが目の前にいる人だとは全く思わず、 女優の島田陽子と同姓同名なんだなあと思った記憶があります。その会の終わり、近づいてこられて、 「私の詩集と高階さんの詩集(『キリンの洗濯』)を交換してもらえませんか」と言われました。普通なら、 何だか押し付けがましい申し出で、あまりいい気のしないものですが、島田さんはニコニコと笑って、さら りと言われたので、全く嫌な感じはしませんでした。快く申し出を受け、後日拙著をお送りしました。
 それ以後、何かの会に出る度によくお会いしました。こちらはあまり詩人の集まりには出ない方です が、島田さんはそういう集まりにはよく出られていたようです。集会が好きと言うよりも、人と接するのが お好きだったのでしょう。いつも笑顔で、気さくに人と接するそういう人柄が、多くの人に慕われた理由の ように思えます。
 お別れの会の後、近くの居酒屋で8人ほどの知人と飲みました。地酒がおいしくて、つい5合ほど(たぶ ん)飲んでしまいました。かなり酔っぱらい、帰りは電車で寝過ごし、全く違う路線の駅まで行ってしまうと いう失態を演じてしまいました。「高階さん、飲み過ぎるからよ」という島田さんの笑った声が、どこからか 聞こえてくるようでした。


2011年5月30日 月曜日

梅の実
 昨日の夜は台風の影響で強い風が吹き、雨も激しく降っていました。
 台風一過で、普通なら青空の見えるところですが、今朝はまだ曇っていて、ちょっと肌寒いくらいでし た。起きてきて、何気なく庭を見ると、庭木の枝が折れて、地面に垂れ下がっていました。今まで何度も 台風は来たけれど、こんなことは初めて。
 何の木だろうと思って庭に出ると、梅の木でした。徒長していた枝が、どうやら風で折れ曲がったようで した。顔を近づけると、梅の実がなっていました。もうそんな時期なんだと気がつきました。震災やら天候 不順やらで、すっかりそんな季節の移ろいから気持が離れていたようです。
 まだ強い風の吹く庭で、青い梅の実をしばらく眺めていました。



2011年5月25日 水曜日

締切の山と森の花
 小学生の詩集の編集が完了しました。レイアウトにかなり悪戦苦闘しましたが、何とか仕上がり、ホッと しています。
 でも、一息つく暇はありません。後ろには締切の山が控えています。今月末から来月末にかけて、詩が 5つ、エッセイ・評論の類が6つほど。散文はともかく、詩を5つもかけるだろうか。うーん、キビシイ。どう も締切が近づいてこなければ書けない質なので、いつものように火事場の馬鹿力に期待するしかありま せん。

 昨日、大学へ行くと、池の向こうの森に花をつけている木が見えました。遠くて葉っぱや花の形は見え ないけれど、色(ピンクがかった紫)と時期からして桐の花のようでした。5階の外階段に立って、しばらく その花を見ていました。いちめんの青葉の中にひっそりと咲く、あんな花のような詩が書けたらなと、ぼん やりと思っていました。


2011年5月19日 木曜日

詩集作り
 目下、詩集作りに打ち込んでいます。と言っても自分の詩集ではなく、空とぶキリン社から出す9冊目 の詩集です。
 今回はちょっと特殊な詩集です。何が特殊かというと、作者が小学6年生という点。1年生から5年生ま でに書かれた詩を収めています。
 ご両親から依頼され、作品に初めて目を通したとき、先ずそのうまさに驚きました。初々しい発見が、 整った詩の形で表現されています。特に小学校低学年のときの作品など、本当にこれをこどもが書いた のかと、ちょっと信じられない気持で、作者自身の手書き原稿を見せてもらったりしたほどでした。そし て、間違いなく本人の手になるものだと確信し、製作を引き受けたのでした。
 子供の詩集なので挿し絵をふんだんに入れたりしています。今まで作ってきた詩集と勝手が違い、あれ これと思案する点も多々ありますが、その分おもしろみもあり、楽しみつつ作業を続けています。
 現在9割方できました。7月中旬には発行できる予定です。本が出来上がったらまたこの欄で紹介しま す。お楽しみに。


2011年5月14日 土曜日

「きいちの音楽室」−「草笛の唄」
 「きいちの音楽室」に5曲目をUPしました。
 この曲はいつ頃作ったのか、楽譜に制作日を記していないので判然としません。でも、たぶん1977年頃 ではなかったかと思います。というのも、その前年に自主製作レコード(『白い午後』)を出していて、その ことが職場の人たちにも知れ渡り、先輩の一人から、「自分の町内会の歌を作ってくれないか」と頼まれ て作ったのがこの曲だったからです。
 町内会の歌ってどんな感じにしたらいいんだろうと悩みつつ、ともかく、明るく誰にでも口ずさみやすい 歌にしようと思って作った記憶があります。結果、とてもシンプルな歌詞とメロディになりました。
 歌の演奏も、町内会の人たちにメロディが伝わりさえすればいいと思って、ギターだけでシンプルに吹 き込みました。
 こんなふうにして出来上がった曲ですが、家人は、今まで作った歌のなかでこの歌が一番好きだと言っ てくれています。詩もそうですが、気取って変に技巧を凝らしたものよりも、すっと心に浮かんだままに作 ったものの方が、時によかったりするのと同じことかもしれません。
 今回もピアノの編曲をお願いした角篤紀さんから、出来上がった楽譜と共に次のようなメッセージが送 られてきました。
「希望にあふれたステキな曲なので、希望、希望と百回唱えてアレンジしました。被災地の明日に光が見 えることを祈りつつ」
 30年以上も前に作った歌ですが、大震災という未曾有の出来事の後で歌詞を見返すと、被災地への 祈りをこめた歌に見えてこなくもありません。角さんはまさにこの歌をそんな歌と捉えて編曲してくださった ようです。角さん、たくさんの思いのこもった編曲をありがとうございました。そして今回も曲を理解し、ピ アノを演奏をしてくださった東ゆかりさんにもお礼申し上げます。
 楽譜・歌詞等は「作曲」欄に掲載していますので、そちらをご覧ください。
 この歌が被災地にも届きますように……


   耳を澄ましてごらん あの丘の上
   やさしい唄が 聞こえるだろう
     ひとりぼっちで 淋しい時も
     草笛吹けば 二人になるさ
 
   耳を澄ましてごらん あの空の果て
   君を呼んでる 人がいるから
     たとえつらくて たまらない時も
     草笛吹いて 風に流そう
               (「草笛の唄」前半)



2011年5月12日 木曜日

『化車』−言葉の微妙な置換
 ガーネット同人・廿楽順治の新詩集が出ました。タイトルは『化車』。化ける車と書いて「かしゃ」と読ませ ています。他にも、「爆母」「父顕」「頭盆」など、創作熟語をタイトルにした作品があり、これは現在も続け られています。
 なぜ、わざわざ存在しない熟語を作ってタイトルにするのか? ここに作者の詩に対する思いが読み取 れるように思います。ありふれた言葉でも、組み合わせを変えることにより、新たなイメージを生み出すこ とができる。そのように、ありふれた世界もほんの少しどこかを置換すれば、まるで違った様相を呈する のではないか。というよりも逆に、一見ありふれて見えている世界の、その中に潜むひずみを、言葉の微 妙な置換によって捉えようとしているのではないか、とそんなふうに思えてきます。
 発行は思潮社。定価2400円+税。僕の詩集『桃の花』の表紙も描いてくださった版画家・宇田川新聞さ んの装幀もステキです。御一読を。

  ふうけいは
  箱にはいっているのでとてもあったかい
  朝
  忘れてきた
  おべんとうのようなものだ
  ひとのにほんごはいつまでもおわってくれない
  わたし
  の現象はおわった
  それから野菜をかいにいく
  この世の
  職員
  がねぎのことをかんがえている
                 (「化車」より)


2011年5月7日 土曜日

共詩8作目 完成
 松下育男さんとの共詩の8作目が完成しました。全267行。今までの共詩の中で最長です。その分、 製作時間も長くかかりました。今年の2月3日から始め、終わったのが5月1日。ほぼ3ヶ月。いつもより 1ヶ月ほど長くかかりました。
 内容は男女の往復書簡によるラブレターです。詩になっているかどうか、はなはだ心許ないところもあ りますが、従来の詩にはない一面が出せたのではないかと思っています。
 松下さんの発行している「生き事」(7月刊行?)に掲載予定です。どうぞお楽しみに。


2011年5月5日 木曜日

追悼
 先月は岸田衿子さん、島田陽子さんと、生前親しくしていた方の訃報が続いた。そして昨日、サラバ楽 ・三上ゆうへい君の訃報が届いた。楽団といっても二人だけのバンドで、相方の鈴木こう君と二人で大 阪・京都を中心にライブ活動を続けていた。
 僕の詩に興味を抱き、いくつも曲を付け、ライブで歌ってくれていた。2008年に
は初のアルバムを出し、そこには拙作に付曲した歌が2曲収められている。2度
ほど飲みに行ったことがあるが、とても明るく優しい青年だった。
 2009年11月に白血病が再発し、それ以降入退院を繰り返していた。去年の9月
には、骨髄移植のドナーが決まり、「移植したら、次に退院出来るのは年明けで
す」というメールも来ていたのだが…。そして、「元気になったらまたお酒をご一緒
したいです」と何度も書いてきていたのだが、それも今はかなわぬことになってし
まった。
 5月1日逝去。享年36。戒名「和響平楽居士」。
 歌と詩の大好きだったゆうへい君。さようなら。そして、僕の詩を歌ってくれてありがとう。


2011年5月2日 月曜日

ダム湖でプチ・ハイキング
 今日は近場の千刈(せんがり)ダムまでワンコたちを連れて遊びに行ってきました。我が家から車で30 分ほどの所。ダム湖の周囲がハイキング道になっていて、道は狭いものの、とても景色のいいコースで す。連休の合間にも関わらず、人影はほとんどなく、ワンコたちのリードを外してやったら大喜びで走り回 っていました。
 途中でコンビニで買ってきたおにぎりを食べ、1時間ほど散策して帰ってきました。ダム湖でのプチ・ハ イキング。ワンコたちにもこちらにもいいリフレッシュになりました。

 先週土曜日の変則授業、学生たちが来ているかどうかちょっぴり心配していましたが、みんなちゃんと 来てました(えらい、えらい)。その代わり(?)先生方はほとんどお休みでした(笑)。

ダム湖 入口付近。
のどかな田園風景。
千刈ダム ダムを上から望む。
右手には滝もあります。
千刈ダム湖 ホッピー(左)とコッコ(右)。
下は湖面へ20メートルほどの
崖。落ちないかとヒヤヒヤ。
リードを外されて、
うれしそうに走っています。


2011年4月29日 金曜日

連休とは言うものの
 連休がスタートしました。いつもなら華やぐこの時期も、今年は震災の影響か何となく沈んで感じます。 こんなときこそ何か心が晴れるようなことがたくさんあればいいのにと思いつつ、こちらも特に出かける予 定はなく……。まあ遠出は無理でも、1日ぐらい、どこか近場にワンコたちを連れて遊びに行ければいい なと思っています。

 しばらく遠ざかっていた「きいちの音楽室」5曲目のピアノ譜が昨日出来上がってきました。近々発表し たいと思います。曲はシンプルですが、沈んだ気持の人にそっと手を差しのべるような歌詞になっていま す。お楽しみに。

 明日は年間授業回数の調整で大学の授業があります。連休の谷間の土曜日。学生たちはちゃんと来 るだろうか?




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